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「三冠馬」
競馬をかじったことがある人ならば必ず知っているであろう言葉である。簡単に説明すると3歳しか出走できないレースのうち、皐月賞・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞の3つのレースを勝った馬のことを指す。(牝馬三冠もあるけど長くなるので割愛)
皐月賞は早い馬が勝ち
東京優駿(日本ダービー)は運のいい馬が勝ち
菊花賞は強い馬が勝つ
というように、まさに3歳時にすべてを持った馬の象徴なわけである。近年は適正距離を考えて秋天だの3歳は斤量有利だから凱旋門行った方がいいんじゃね?だのいろいろ言われて菊花賞の価値が本家イギリスのセントレジャーよろしくだだ下がりな昨今だが、近代競馬150年とちょっとの今でもセントライト・シンザン・ミスターシービー・シンボリルドルフ・ナリタブライアン・ディープインパクト・オルフェーヴルの7頭しか達成できていないほどの難度でありその三冠馬たちの格は決して落ちることはない。
で、今回はそのナリタブライアンの引退記念アルバムである。「シャドーロールの怪物」と呼ばれ、あの各方面からクエスチョンマークが飛び交った「20世紀100名馬」の栄えある第一位であり、3200mの天皇賞(春)の翌月に1200mの高松宮杯(現:高松宮記念)を使い引退というザ・大久保ローテを見せつけてくれた名馬である。競馬系レコード界隈においてはドキュメントレコードや競馬実況ばかりであまり冴えない三冠馬の中でも破格の6曲入り、しかも全部に歌詞がついている大健闘っぷりである。
と、いうわけでかなり期待した本作だったが、CDを再生してホゲェーと盛大にズッコケた。なんと全編インスト。本作に関する情報はほとんど検索にひっかからないので結局歌入りバージョンがあるのかもどこで流れたのかも不明のまま。全体的に寂しげな曲調におそらく「このメロディーで歌っているんですのよ」と言わんばかりのシンセ単音が全編に入り微妙な「安さ」を醸し出しCDは終わる。ジャケに書いてある「Song by ~」とか全曲についている歌詞はなんだったんだ!?
ちなみに裏ジャケに載っているのはナリタブライアンとヒシナタリーの仔であるが、残念ながら2勝で引退。ナリタブライアン自身も2世代を残し他界している。合掌。
Destination
J6
作詞:大江千里
作曲:井上大輔
編曲:河越重義
やはり競馬系音楽を語るならこの1999年に結成されたアイドルユニットを紹介しないわけにはいくまい。定期的に発作を起こす我等がJRAが競馬学校騎手課程CMソングとして世紀末に放った現役(当時)ジョッキー6名による”全員既婚”の衝撃アイドルユニットである。
あからさまにV6のパクりなこのグループ名の由来は「J to the 6th power」、蛯名正義、後藤浩輝、四位洋文、田中勝春、藤田伸二、松永幹夫というメンバーで、JRAが推薦したメンバーからテイチクが「歌唱力」と「ルックス(←ここ注目)」で選出、作詞に大江千里、作曲は井上大輔という(しかもこれが遺作)布陣。カップリングはメンバーのインタビューで、インタビュアーが漫画家のやまさき拓味という、ツッコんだら負けなのではないかとさえ思ってしまうファン感涙(いろいろな意味で)の一本だ。
しかし曲はさすがといえる爽やかなポップスに仕上がっており、普通にこの当時のどこぞのジャニーズな連中が歌っていてもおかしくないデキで、JRAの無駄に金をかける「わかっている」作りはさすが元国営の一言。園田の独身アイドルジョッキー軍団「ADONOS7」は音源が無かったのが残念と言わざるを得ない。こういった企画はファン感涙であるぞ(あくまで一部の)。しかしまあ、今こういった企画をやればわりと若手~中堅の騎手はノリノリでやりそうだなあと思う、なんというか、勘違いしてそうなの多いし・・・(誰とはいわない)
で、これを歌った当人たちはというと、松永調教師(元騎手)と四位騎手は「武豊TV」のジョッキー新年会でかなり苦笑い、あまり乗り気でもなかったのだろう。対して藤田騎手は自著・特別模範男(東邦出版)の中で「次はソロもやりたい」とかなりノリノリだったことがわかる。ソロCDは今だからこそ出していただきたい、保存用含め2枚は買うぞ。
そういや池添騎手がボーカルやってる若手・中堅のバンドとかあったね・・・音源出さないかな・・・
ちなみにこのCD、初回特典としてメンバーのプリクラ風シールが付いており、脱力感は増すばかりであり、中古で手に入れる場合はシールの有無がかなり重要。
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